ブレイルフレンドが、これまで制作した作品の中から、5曲を絵本にまとめました。
本文を読むと、そのままコンサートの場内アナウンスになるストーリー仕立てになっています。
①点字楽譜×アート
●主に目の不自由な人が指で触れて読む点字。
本来は、無数の凸凸がついているだけの真っ白い紙です。
目の見える人にとっては、書いてある内容はおろか上下もわかりません。
申し訳ないけれど自分には関係ない、と思っても仕方ないのかもしれません。
けど、そこに色がついていたら?
かわいらしい水玉模様(ドット柄)になるのです。色やデザインがあることで、一気に身近に感じることができます。
実物の点字は大きさや形が決まっていますが、アートの力を借りて、少し遊んでみましょう。
●点字には、日本語・アルファベットや数字だけでなく、音符もあります。
そして辻井伸行さんやスティービー・ワンダーのように、目が不自由な音楽家は世界中に多く存在します。
本来音楽は「耳」を使うものですから目が見える人と見えない人が一緒に楽しめる数少ない分野のひとつです。
②触れて楽しむ
点字楽譜の通りに並んだ、星や雨粒の上にひとつひとつ透明な樹脂を乗せています。
文章を読んだり絵を見るだけでなく、点字の凸に触れて感触を楽しむことができます。
目を閉じて触れてみると、より「雰囲気」がわかると思います。
また、指先は「第2の脳」と言われるほど末梢神経が集中しています。
凸凸に触れると、脳の活性化につながるかも?
③どなたにも読みやすく
●弱視や高齢の方が読みやすくする配慮として、本文は黒地に白い文字(白黒反転)にしました。
●年代を問わず楽しめるよう、漢字にはフリガナをつけました。
●360度開閉できるリング製本のため、手を離しても本が閉じません。両手で点字の凸凸に触れたり、楽器を演奏するのに便利です。
また、折りたたんでイラストだけ飾ることもできます。
④もっと知りたい!点字の世界
巻末に付録として、点字の読み方一覧表と身近にある点字を紹介しています。
点字は身近なところにたくさんあります。見つけたら、ぜひ触って、何と書いてあるのか調べてみてください。
このページに、絵本のテキストデータと作品の音源を掲載しています。
パソコン・スマートフォンなどの音声読み上げ機能でもお楽しみいただけます。
※機能の設定は、ご自身でお願いします。
作品の画像をクリックすると、メロディを聞くことができます。(You tubeページが開きます)
タイトル:「ブレイルフレンドコンサート」
B5サイズ・16ページ
販売価格:3300円(税込)
■最新作「ブレイルフレンドコンサート~虫愛ずる姫の話~」はこちらから!
タイトル:「ブレイルフレンドコンサート~虫愛ずる姫の話~」
B5サイズ・16ページ
販売価格:3300円(税込)
■絵本の作者(加藤)による読み聞かせ&演奏動画(サンプル)です。
「ブレイルフレンドコンサート」
♪ごあいさつ
ブレイルフレンドコンサートへようこそ。
「ブレイル(Braille)」は英語で点字のこと。
点字は、主に目の不自由な人が、指でふれて読む文字です。
6個の凸の組み合わせで、日本語だけでなくアルファベットや数字・音符もあります。
「ブレイルフレンド」は点字の楽譜をモチーフにしたアート作品です。
点字の並べ方はそのままに、色や模様を様々にアレンジしています。
作品の点字の部分は凸になっています。
指でふれて、感触とメロディを楽しんでください!
※点字には凸面(読む時)と凹面(点字の道具で打つ時)があります。ここではすべて凸面で表記しています。
※実物の点字とは大きさや形が異なるため、テキストとしての使用には適していません。
はじめの曲は
「キラキラ星」です。
外国では「Twincle twincle little star」というタイトルでおなじみです。
モーツアルトはこのメロディをもとに「キラキラ星変奏曲」を作曲しました。
宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」にも登場し、物語に彩りを添えています。
また、同じメロディで「ABCの歌」としても親しまれていて、おそらく、世界でもっとも有名な曲の一つです。
窓の外には満天の星。
星のまたたきが音楽のようです。
カーテンの陰には一匹のネコがたたずんでいます。
窓の外には、どんな世界が広がっているのでしょう。
次の曲は
「ねこふんじゃった」です。
「ねこふんじゃった」というタイトルは、実は日本だけのもので、国によって異なるタイトルがつけられています。
イギリスやアメリカでは「トトトの歌」
ロシアでは「犬のワルツ」
スペインでは「チョコレート」
というタイトルで親しまれていています。
グランドピアノの上にたくさんのネコのあしあと。
元気いっぱいあそんだら、イスの上でひとねむり。
次の曲は
「Happy birthday to you」です。
毎日世界中のどこかで歌われていて、世界中の人を幸せにしている曲です。
この曲を聞いてろうそくを消す人、
歌っている人、みんな幸せ。
たぶん、作った人が一番
幸せかもしれません。
三つ葉や四つ葉のクローバーが一面を埋め尽くしています。
葉の上には、赤いテントウムシが並んで、飛び立つときを待っています。
次の曲は
「Beautiful Dreamer」です。
日本では「夢路より」もしくは「夢見る人」というタイトルで発表されました。
雨の日は、お気に入りの傘を差して出かけましょう。
青や紫の雨粒が、夢の世界へ連れて行ってくれます。
この華やかなメロディを作ったのは、スティーブン・フォスター。
「アメリカ音楽の父」とも言われる彼の生涯は、苦しみや困難が多いものでした。
フォスターにとっては、美しい夢の世界こそ現実だったのかもしれません。
おしまいは
「Aura Lee」です。
エルビス・プレスリーが「Love me tender」という曲でカバーし、世界中でヒットしましたが、もとはアメリカの大衆歌謡です。
南北戦争時には、若い兵士が故郷に残してきた恋人を想って歌っていました。
レンガ造りの家の壁を覆い尽くすように、つるバラが繁っています。
そして真っ赤なバラの花がいくつもいくつも咲いています。
どんな困難の中でも、心の中は自由。
音楽があれば、どこにでも行けるし誰にでも会うことができます。
以上をもちまして、すべての演奏を終了します。
お帰りの際はお忘れ物のないようご注意ください。
本日は、最後までお聴きいただき、ありがとうございました。
次回のコンサートで、またお会いしましょう。
■お知らせ
ARアプリができました!
筑波大学デジタルネイチャー研究室様が、「ブレイルフレンドコンサート」のARアプリを開発されました。
スマートフォンを絵本にかざすと、音源データなど情報が表示されます。
(12月1日現在、iPhoneとiPadのみ対応)
絵本をお持ちの方は、ぜひお試しください。
https://digitalnature.slis.tsukuba.ac.jp/2021/07/10655/
■「ブレイルフレンドコンサート」をご購入の方はこちらより、氏名・電話番号・メールアドレス・送付先住所・希望部数をお知らせください。
後ほど、お支払い方法をご案内いたします。
(入金確認後の発送となります)